2016年6月 PITTI&イタリア出張レポート ミラノ編

 

珍しく2日連続の更新となりました。

昨日更新したフィレンツェ編はこちらです。

pitti01

 

今回は、ミラノでの様子を綴りたいと思います。

 

at-stazione

ピッティを終え、列車でミラノに移動しました。

上の写真は、駅の電光掲示板です。
一番右に、2、12、9 … と
数字が並んでいますがこれは
「この列車は〇番ホームから発車します」
という表示です。

 

わたくしどもが乗る列車は
下から二番目のミラノ行き。

 

ところがミラノ行きの分だけ、
何番ホームから出るのか表示がなく…。

 

この時は発車予定時刻の10分前に
なってようやく、表示が出ました。

 

イタリアでは、日本のような
「〇時◎分発××行き列車は〇番ホームから」
といった告知がギリギリまでありません。

 

もちろん、構内アナウンスもありません。
電光掲示板とにらめっこして
待つしかないという。
イタリア流です。

 

5分前になってようやく「9番ホームだ!」

などとわかり、
スーツケースを持った人たちが走って移動する
という光景も珍しくありません。
また、遅延もよくあるお話で…。

 

以前よりは改善されていますが
ローカル線だと今もなお、
ざらに30分遅れ、1時間遅れがあるのだとか。

 

日本とは大きく違いますね。

 

train

こちらは、フレッチャロッサ
(イタリアの高速鉄道)の一等車車内です。

ネットで事前に予約すると
とても安く利用する事が出来ます。
それにしてもこの広々とした車内!

 

ShowroomZILLI

ミラノではZILLI ジリー や、
TecknoMonster テクノモンスター
のショールームへ出かけました。
上の写真はZILLIでの様子。

 

お客様から特別注文を頂いた
クロコダイルのバッグに使う実際の革を、
わたくしどもも自分たちの
目と手で確認しました。

 

いつもながら、
ワニ革とは思えない柔らかさに驚かされます。
仕上りがとても楽しみです!

 

lunch

ZILLI ジリー では毎回、

 

シャツやジーンズ、
ジャケット、ネクタイ、
ブルゾン、レザーグッズ、
セーター、カットソー
などなど、

 

トータルコレクションで発注する為、
一日がかりの大仕事になります。

 

合間には、
ZILLI ジリー が用意してくれたランチを
スタッフたちとテラスで頂きます。

ZILLI-people

向かって右はシモーネさん。
ZILLI ジリー の
「大番頭」
的な存在です。左はアンドレアさん。
お二人とも、長いお付き合いになりました。

(ZILLIについての詳細はこちらの
記事を御覧くださいませ↓

世界の富裕層が一番大切な場面で選ぶ、世界最高峰ブランドZILLIの魅力とは?

場面変わって日曜日。
この日は、サンバビラ広場近辺から
ドゥオモ前の広場にかけて、
大規模なパレードが行われていました。

milano3

「カラビニエリ」と呼ばれる機関の、
周年記念行事のようです。
(カラビニエリは、ざっくり言いますと
警察の機能も備えた軍といったところでしょうか)

milano2

仮装している方達や、楽団なども通って行きました。

 

 

ミラノでの最後のお仕事は、
TecknoMonster  テクノモンスターのショールーム
そして工場見学です。

Tecknomonster08

今回は、工場見学がメインでした。
TecknoMonster テクノモンスター の工場は
ミラノ近郊の街バレーゼにあります。

 

tecknomonster01

今年1月にも訪問しましたが、
その時はちょうどお昼休みで
職人さん達が誰もいませんでした。
今回はランチタイムが
終わったところにお邪魔しました。

TecknoMonster06

TecknoMonster テクノモンスター といえば
なんといっても

 

「カーボンファイバー(炭素繊維)」

 

が特徴です。

 

この大きな装置は
オートクレーブと呼ばれる
カーボンファイバーを加熱
硬化させるためのものです。
(スーパーカーのボディなども、このような装置を使って
カーボンファイバーのパーツを作り上げています。)

 

Tecknomonster07

(上記2枚の写真は1月に撮影したものです)

緑色のチューブは、
真空パック(黄色いビニール)の
中の空気を吸い出すためのものです。

 

空気を抜いて加圧することで
カーボンファイバーを型に密着させ、
オートクレーブで加熱し硬化させる
という流れです。

 

こうした大変な工程を経て作られる
カーボンファイバーは

 

「ドライカーボン」
そうでないものは

 

「ウェットカーボン」
と分類されています。

 

当然、ドライカーボンの方が高価です。

Tecknomonster09

ちなみに、こちら ↑ のバッグの…

 

Tecknomonster10

この部分。
この小さなパーツもカーボンファイバー製ですが
たったこれだけのパーツ一つを作るのにも

 

8時間くらいかかるのだとか。

 

tecknomonster04

オートクレーブの計器です。
熟練した専任の担当者が
手作業で調整を加えながら加工するのだそうです。

 

こちらはハンドルを手作業で仕上げる様子です。
長い針を使って、
一刺し一刺し丁寧に縫い上げていきます。
このステッチはイタリアの伝統的な技法の
一つなのだそうです。

 

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美しい仕上りです。

以前ブログでも綴りましたが、
大量生産の波に押され、
今はこうした手縫いの技術を持つ職人たちが
働く場所を失い、
その技術を継承する機会も失われているのだそうです。

 

それはすなわち「文化」の消失を意味します。
それを危惧したオロビアンコ社長の
ジャコモ ヴァレンティーニ 氏が

 

「このままではいけない」

 

と立ち上がって出来上がったブランド。

それが

 

TecknoMonster テクノモンスターなのです。

 

カーボンファイバーという、
宇宙工学にも使われる
ハイテク素材と
イタリアの伝統的な手仕事を
組み合せたユニークなアイテム作り。

 

物作りの現場に足を運び、その工程が本当に
緻密で繊細な人の目、人の手による作業を
経ているのを目の当たりにすることで
また深く、仕入れた商品たちへの

 

愛情が増しました。

 

milano

駆け足でお送りいたしましたが、
今回の旅のレポートは以上です。

 

お楽しみ頂けましたでしょうか?

 

わたくしども日子は
これからもヨーロッパの逸品と
皆様の出会いを結ぶ懸け橋となれるよう
頑張ってまいります。

 

実店舗 案内

HIKO 銀座

東京都中央区銀座2-8-17-2F
Tel 03 6264 4450

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